
角田裕毅、最後尾からの“逆襲”へ──世界が注目する100戦目の行方
2025年F1第9戦カナダGPが、いよいよ決勝を迎える。舞台となるのは、波乱を呼ぶジル・ヴィルヌーヴ・サーキット。狭く高速な市街地型のレイアウトに加え、天候変化とセーフティカーの出動が常に戦略を揺さぶるこのコースで、角田裕毅がF1キャリア100戦目という大きな節目を迎える。
🏁 予選・フリー走行を経て…まさかの最後尾へ
レッドブル昇格という節目を越えたその先には、想像以上の逆風が待っていた。
そして迎えた100戦目──彼は再び試されている。
土曜のFP3では、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)のクラッシュによる赤旗中に追い越しを行ったとして、10グリッド降格のペナルティが科される(出典:F1.com、Motorsport.com)。さらに予選Q2では11番手と健闘したが、すでに降格が決定していたため実質最後尾スタート。最終的にはマシン修正のため、ピットレーンスタートが決まり、20番手からのスタートが確定した。
この赤旗追い越しについて、角田は次のように語っている:
“I don’t think I deserve this 10-place penalty … I don’t know what they want me to do.”
「この10グリッド降格のペナルティは不当だと思う。…正直、僕にどうしろと言うのかわからない。」
(出典:Formula1.com、MotorsportWeek)
状況に納得がいかない様子で、自らの判断を擁護している。

📣 ミッドフィールドの安定感──追い上げへの期待
F1公式サイト「Need to Know」カナダGP特集記事では、角田に対し次のような言及がある:
“Yuki Tsunoda marks his 100th Grand Prix start this weekend. Despite starting from the back, the Japanese driver has impressed with his consistent performances in the midfield, and a fightback in the race shouldn’t be ruled out.”
「今週末、角田裕毅は自身100回目のグランプリに臨む。最後尾スタートとなるが、今季のミッドフィールドでの安定したパフォーマンスは印象的で、レースでの巻き返しも十分に考えられる。」
100戦目という節目、そして今季の安定感あるパフォーマンスを評価した上で、“最後尾からの追い上げ”に期待が寄せられている。

🔍 巻き返しはあるか?──RB21の特性とレース展望
RBのマシンは、ジル・ヴィルヌーヴ・サーキットとの相性も悪くない。低速〜中速コーナーでの安定性があり、DRSゾーンも多いこのコースでは、直線スピードを活かしたオーバーテイクのチャンスがある。
また、カナダGP特有の“波乱要素”も無視できない。
- セーフティカー出動率の高さ(過去10年で8回以上)
- 天候の急変(2023年のように、予選が豪雨になることも)
- タイヤ戦略の多様性(1ストップ〜2ストップ、インター投入のタイミング)
こうした不確定要素が多い中、柔軟な判断力と堅実な走りが持ち味の角田には、順位を大きく挽回できる可能性がある。
💬 ファンの想いと、節目の物語
角田本人が「100戦目」という節目について明言した発言は確認されていないが、今週末に合わせて“100th RACE”の刻印が入った特別仕様ヘルメットを用意している。
そのデザインには、デビュー戦を彷彿とさせる要素や、これまでの歩みを込めた意匠が盛り込まれており、言葉ではなく行動で“節目”を表現しているとも言える。
F1公式やDAZNのSNSでもそのヘルメットが取り上げられ、本人がファンに向けて紹介する動画も公開された。
メディア、ファン、そして角田自身──それぞれの視線が、この記念すべき100戦目の“物語”に熱を注いでいる。
✅ 注目ポイントまとめ(決勝直前)
項目 | 内容 |
---|---|
グリッド位置 | ピットレーンスタート(20番手) |
マシンの強み | 中速域の安定性、DRS効果を活かせる直線速度 |
リスク要因 | セーフティカー、天候、スタート混乱 |
勝負の鍵 | オーバーテイクのタイミングとタイヤ判断 |
100戦目。最後尾。だが希望は消えていない。
メディアが注目し、ファンが信じる“逆襲の一撃”。
角田裕毅が、再びその存在を示す時が来た。
🚀 声援を届けよう:逆境の中のヒーローへ
角田裕毅は、F1に上がって以来ずっと「小柄な日本人ドライバーは無理だ」と言われてきた。
荒削りな走り、感情を露わにする無線、経験不足──そのすべてが批判の対象になった時期もあった。
でも彼は、諦めなかった。
口ではなく、走りで進化を証明してきた。
着実に、静かに、でも確かに──トップドライバーの領域に足を踏み入れようとしている。
そして迎えた100戦目。
祝福ムードなんて、どこにもない。
最後尾。ピットレーンスタート。
それでも、彼はここから戦い抜く。
今の角田裕毅には、あの日の「速いだけの未熟なルーキー」はいない。
いるのは、“戦える男”だ。
私たちは知っている。
1周ごとに獲物を狙うように走り、1つずつポジションを奪う姿を。
静かに、でも確かに熱く燃える魂を。
だから、届けよう。
この瞬間に私たちの声を。
がんばれ、角田裕毅。
コントロールラインの先に──答えがある。